テレビプロデューサーとして数々のヒットを生み続ける佐久間宣行さん。
その裏側には「努力よりも、成果につながる最適解を探す」という、良い意味で“ずるい”仕事術がありました。
読んでみて感じたのは、「ずるい」は“手を抜く”ではなく、“上手に手を掛ける場所を選ぶ”ということ。
ムダを見抜き、本質に集中し、人との距離をうまく取り、自分の機嫌を整える。
その姿勢が、クリエイティブにも人間関係にも効いてくるという示唆に富んだ一冊でした。
ここでは特に印象に残ったポイントを3つにまとめます。
1 努力よりも「勝てる場所」を選ぶ
佐久間さんは「できないところを伸ばすより、勝てる領域を探すほうが圧倒的に効率がいい」といいます。
つまり、“自分の得意”が最大の武器。
これは僕自身、ビジネスの現場で痛感してきたことです。
例えばチームの役割分担や新規プロジェクトでも、不得意分野で戦おうとすると消耗戦になりやすい。
逆に、得意を土台にするとスピードも成果も跳ね上がる。
本書ではその考え方を、テレビ業界でのエピソードを交えて分かりやすく解説。
「努力が報われないのではなく、土俵が違うだけ」という言葉には深く頷きました。
2 “機嫌のいい大人”でいることが、最強の仕事術
佐久間さんは「機嫌は成果に直結する」と断言しています。
不機嫌な人は周囲のパフォーマンスまで下げる。一方、機嫌のいい人は場の空気を整え、企画もコミュニケーションもうまく回る。
そのために大切なのが、
・自分のテンションの源泉を知る
・落ち込んだときの回復方法を用意しておく
・無理な人間関係から距離を置く
というセルフマネジメント。
僕自身、チーム運営で「ご機嫌でいる」は軽く見られがちですが、実はリーダーに必須のスキルだと感じてきました。
機嫌が安定している人は、周りからも相談されやすいし、アイデアも湧きやすい。
本書はその重要性を、実例ベースでしっかり肯定してくれます。
3 仲間を巻き込むのは“説得”ではなく“共有”
佐久間さんは、誰かに協力してほしいとき「プレゼン」より「共有」を優先するそうです。
・何をやりたいのか
・なぜそれをやりたいのか
・それによってどんな景色が見えるのか
この3つを率直に伝えることで、相手は自然と動きやすくなる。
説得ではなく、同じ視点で話をすることが大切なんですね。
この考え方は、僕の講座づくりや事業運営にも非常に近い感覚があります。
人は“納得して動く”よりも、“共感して動く”ほうがずっと強い。
本書ではその本質が丁寧に語られており、チームビルディングにも大きく役立つ内容です。
おわりに
『佐久間宣行のずるい仕事術』は、「努力しろ」「根性だ」という昔ながらの仕事論とは正反対。
でもそのどれもが、とても合理的で、実践的で、そして優しい。
読むと、
・ムダな努力に振り回されなくなる
・自分の得意と向き合える
・人に助けてもらえる関わり方が分かる
・仕事も人生も、もっと軽やかに進む
そんな手応えが得られる一冊です。
“ずるさ”とは、成果を出すために選ぶ賢い方法。
これからの時代、ますます必要になる感覚だと感じます。
中野祐治(作家・起業家) 各種メディアで情報発信中
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