大阪で働く実業家中野祐治(ゆう)のブログ☆

中野祐治です。大阪・東京で経営コンサルをしています。日々の学びをアウトプットしていけたらと思います。

【読書備忘録】純度100%の恋愛小説〜江國香織さんの『きらきらひかる』を読んで〜

こんばんは、中野祐治(ゆう)です。

 

今日は引き続き"きらきらひかる"という本をレビューしていこう。

 

純度100%の恋愛小説?

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(そもそも旦那がホモで恋人ありの夫婦の物語が、なんで純度100%の恋愛小説なんだ!?)

 

そう思ったのは僕だけではないはずだ。

 

ところがどうして、読み終えてからあとがきを読み返すと、すごくしっくりくる。

 

そもそも"愛"とは何かと問われて、明確に答えられる人は多くないだろう。

 

実際かたちのないものなのだから、説明のしようなんてないのかもしれない。

 

でも、僕はこの本を読み終えたとき、睦月と笑子が心から愛し合っていることを、はっきりと感じたのだ。


それも、睦月の恋人の紺が加わることで、その愛は純度を増す。

 

例えば、

 

『僕は、シーツにアイロンをかけているときの笑子の、鬼気迫る背中をみるのが好きだ。』

 

なんて、何気ない日常の幸せを感じる睦月の心の描写は、本来、女性を好きになれないはずの彼だからこそ、"笑子の"という部分が強調される。

 

『紺くんが睦月の赤ちゃん埋めるといいのに』

 

という、嫌味ともとれそうな笑子のセリフも、奔放で無邪気な、"正常の域を逸脱していない"精神病の笑子が言うと、純粋に睦月を愛しているから出た言葉だと、確信出来る。

 

理屈では表現できない"愛"を、こうもありありと感じさせる描写は、本当に天才的だ。

 

次回はいよいよ、僕の思う"女心"について書いてみようと思う。

 

それではまた。

 

本日の格言

傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない全ての人々に贈る、純度100%の恋愛小説

江國香織

 

きらきらひかる (新潮文庫)

きらきらひかる (新潮文庫)